がらくたにっき

美術館・展覧会の鑑賞記録日記

日本の素朴絵ーゆるい、かわいい、たのしい美術ー@龍谷ミュージアム

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 概要

訪問した日:2019/11/16

★★★★☆

本日のBest:狛犬(吽形)

全体的な感想

電車の広告で見かけた時から気にはなっていたが、母が行って、図録を買って来るくらい気に入ってたので、俄然行きたくなって、終了日前日に滑り込みセーフで行ってきた。

初・龍谷ミュージアムでもある。

以前、何かの時に前を通ったことがあるけれども、なかなか立派なミュージアム

中庭も素敵。

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紅葉はまだでした。

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展覧会はというと…すごく可愛かったーーーーー!!!!!

ちょっと残念だったのが、掛軸などがガラスから遠いので見えにくかったこと。

単眼鏡を使えば、という話かもしれないけど、もう少し近づけてくれたら見れるのになぁ~といつも思ってしまう。

特に今回みたいに、詳細を楽しみ展覧会であれば尚更。

 

あと、今見たら『可愛い…』となるけれども、よく現代まで残っていたよな、というのも正直な感想。

例えば、うちに代々伝わるもの…としてあったら、果たして受け継ぐのか謎な絵も結構あったので。ご先祖様の落書きか、ポイッとならなかったのがちょっと不思議。

 

図録もそうだけれども、展示に添えてある文章もくだけた感じで面白かったのも良かった。

一人で観てても、つっこみがあって『うん、うん』と楽しめるというか。

総じて、かなり癒しの空間になっていた。

印象的な作品

ほぼすべて楽しめたし、帰ってから図録をパラパラめくりながら何度も楽しんでしまっているけれども、その中からいくつか抜粋すると…

(写真は図録から携帯で撮ったもの。歪み、色も補正しておらず、あくまでも記録用)

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曽我物語屏風」六曲一隻 江戸時代

山と空と地面との関係がめちゃくちゃなのが、めっちゃ面白かった。

意外とディテールを見ると↓、人間とか一生懸命描いているのに、なんで空飛んじゃってるの~!?みたいな。

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他の作品でもちらほらあったけれども、これなんて六曲一隻の立派な屏風。

稚拙とさえ言えるくらいの素人な絵だけれども、こんな大きく、手も込んだ形で、よく描くよな、と感心してしまう。絵を描くことに対するパッションがすごい。

 

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「仏伝図」鈴木猪兵衛筆 六幅(の内の1幅) 江戸時代(1830年)

色彩が横尾忠則っぽい。

詳細を見ると↓、動物は割と悲しんで見えるのに、人間たちがコミカルにしか見えない。

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因みにお釈迦様の一生を描いているのだが、どれも『お釈迦様って中国人だったっけ…?』というくらい、インド感がない。

 

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「神農化物退治絵巻」一巻 江戸時代

おならで化物退治をしてるのだが、むしろ退治している人(?)が化物っぽくて笑ってしまう。

これ以外の絵巻も相当面白かった。

異類婚のものがいくつかあったけれども、どれも結局動物がかわいそうな目に合っているのが印象的だった。そりゃあネズミと結婚するのは嫌だけれどさ…

 

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大坂城堀の奇獣」一枚 江戸時代(19世紀)

もうこれは笑うしかない。

大坂城堀で奇獣を見た!!!」という慌てふためいているのは伝わって来る、という注釈がついていたが、まさに、気が動転しているのはめちゃくちゃ伝わって来る。

でも全然怖くない(笑)

これこそ、よくぞ子孫の人達、捨てなかったよな、という感心もしてしまう。

 

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「大黒と福禄寿の相撲図」耳鳥斎筆 一幅 江戸時代(18世紀)

今回初めて、耳鳥斎の存在を知ったけれども、どの絵も可愛くて好きだった。

その中で特にこれ、相撲というよりも、「きゃっ」と福禄寿にしがみついているようにしか見えないのがまた可愛い。

 

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「獅子・狛犬」一対 室町時代(1419年)

素朴「絵」の展覧会だったけれども、立体も何体かあった。

立体になると、また可愛さが増す。

この2匹なんて最高。

 

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狛犬(吽形)」一軀 江戸時代(1751年)

本日のベスト。

あまりに可愛すぎて、等身大のレプリカあったら絶対買う!と思ったけれども、ミニチュアすらなくて、本当に残念。

この情けない目といい、口といい、すべてが可愛い。

更に狐っぽいけど、狛犬ってところもなんかいい。

 

パンフレットと作品一覧

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