リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展@Bunkamura ザ・ミュージアム
行った日:2019/12/21
★★☆☆☆
本日のBest:ペーテル・パウル・ルーベンスと工房『ペルセウスとアンドロメダ』
感想
東京に行く用事があったので、友人と連絡をとった際に”美術館に行こう”ということになり、もうすぐで終わってしまうこの展覧会へ。
いや~週末の渋谷は恐ろしいくらいに混んでた!!!美術館の前にお茶を…と思ったら、どこもかしこも長蛇の列。
Bunkamura付近は人が減って、やっと人心地がついたぜ。
結局、Bunkamuraのカフェでお茶しました。ふぃ~
リヒテンシュタインは投資の一環でアートを収集していたというのを聞いたことがあるくらいで(どこで聞いたのか覚えてないので信ぴょう性がないが)、それと小さい国という以外、印象がなかった。
展覧会にあったお城の写真などみて、ちょっと行ってみたいなと思った。
展覧会の内容としては、正直なところ、”至宝”とはうたっているけれども、コレクションの中で中級以下のものが来たのかな、と思ってしまった。
磁器や花などの静物画は素敵なものもあったけれども、あとはちょっとなぁ…というのが正直なところ。
それもあって、実際にリヒテンシュタインに行ってみたいなと思った。
その中で磁器は結構面白かった。
日本や中国の陶磁器に、西洋風の飾りを付けているのはなかなか興味深かったし、東洋の磁器を真似ているウィーン窯の磁器も、なんかちょっと違うのも面白かった。
リヒテンシュタイン侯爵は寛大だったらしく、自分のコレクションを磁器のデザイナー(アーティスト?)に快く見せていたそうな。
当時、こんな展覧会などが催されなかったことを考えると、すごい良い勉強の場だったと思った。
印象的だった作品
図録を買ってないので、画像がないけれども一応メモ。
(ネットで検索すると結構出てきたので、未来の自分よ、忘れたら検索しろ)
なかなかの美少年なダヴィデ。
微笑みをたたえながら、よっこいしょーとばかり担いでいるのがグロテスクなゴリアテの首という、なかなか対比がきいている作品。
ダヴィデだけ見てたら羊を担いでいるみたいな無邪気な微笑みなのに…ちょっと微笑みが恐くなる。
ヤン・ブリューゲル(子) 、ヘンドリク・ファン・バーレン 『風景の中の聖母子』
風景がめちゃくちゃきれいなのに、その中の聖母子が素朴。
マリア様とか、マリア様の格好ではあるけれども、なんか平民の女の人みたいなお顔。多分、鼻が丸っぽいからだと思うんだけど。
そのアンバランスなところが面白かった。
ペーテル・パウル・ルーベンスと工房 『ペルセウスとアンドロメダ』
本日のBestなので、チラシから持ってきました。
基本的にルーベンスの、この脂肪だらけの人間、あまり好きじゃないんだけど(自分を見ているようでとは言わない)、そしてこの絵も決して人間は好きじゃないんだけれども、物語をこんなにも感じる絵ってすごいな、と思って。
色々と現実的ではないのに、映画のワンシーンのようなリアリティを感じるのは、ペガサスがやたらとリアルだからだと思う。
ペガサスが存在感が強いわけではないけれども、妙なリアリティをもって、主人公たちよりちょっと奥にいることで、世界観ががっちり固まった気がする。
ビンビ 『花と果物の静物とカケス』
いわゆる静物画なんだけれども、その一言で片づけたら申し訳ないくらいすごい。
”静物”というには、画面上に動きを感じる。
花とかの静物画にしては横長で、右側に大きな花束、左側に葡萄などの果物がある。
構図的に、大きな花束から、果物たちが吹きこぼれているように見えて動きが出ているのだ。更に、その流れの一部をせき止めるように陶器があって、そこにカケスが止まっている。
こんなに動きのある”静物”画って珍しいなと思った。
以下、最後の方の作品は撮影OKだったので、そこからいくつか;
フランツ・クサーヴァー・ペター 『アオボウシインコのいる花と果物の静物』
スポットライトが左寄りだしインコも左にいて、左に重心が傾きそうなのを、上のストレチア(多分)が右向きだったり、下の方で赤い花が重く右に垂れ下がっていたりと、絶妙なバランスを保っているのがすごいなと。
こういう絵って、ついついその写実性のテクニックに目がいってしまうけれども、このバランス感覚ってすごいよなと思う。
ただ真中にでーーんと描いたら、全然面白くない絵になるだろうし、変に奇をてらうと、家の中で飾っておくには向かない不安定さになるだろうし。
フェルディナント・キュス 『バラとアンズのある静物』
額縁のなかに、更に額縁のような窓があって可愛い。
単純に可愛いし、部屋に飾っておきたくなる。
ウィーン窯・帝国磁器製作所、アントン・デーリング、イグナーツ・ヴィルトマン 『金地花文ティーセット』
金ぴかと可憐な花の組み合わせ。
ともすると安っぽくなってしまう組み合わせだけれども、さすがというか、当たり前というか、上品に仕上がっている。
チラシと作品一覧