バンクシー展 天才か反逆者か@大阪南港ATC Gallery
行った日:2020/10/30
★★★☆☆
本日のBest:"Christ with Shopping Bags"
感想
友人に誘われて。薄ーくバンクシーには、ニュースが出るとチェックするくらいには興味を持ち続けていたので、がっつり乗って行ってきた。
展覧会のタイトル自体が、バンクシーが皮肉っている対象となる消費社会臭がすごい気がしたけど…
展覧会自体もそういった矛盾を感じるところが随所にあって、なんだかなー…という気分になったところもあった。
"An unauthorized exhibition"とあるので、バンクシーの意向に沿っていない展覧会で、こんな資本主義臭ばりばりの展覧会になってしまっているのかもしれないが…
また、今まで慣れ親しんできた、いわゆるホワイトキューブか、それに準じるような展示会場ではなかったので、導線が慣れていない感じがして見にくかったという友人の指摘に激しく同意をせざるを得なかった。そもそも何点あるのかも明記なく(もちろん作品リストもない)、章立てもされていないから、いったいどれくらい作品あるのか見当つかず、角をまがってみたら「めっちゃまだまだ作品あるやん!」と言いたくなる場面があったり。とりあえず、時間配分を間違え、最後は駆け足だった。
作品タイトルも英語を和訳、ではなくて、英語をカタカナにしてるだけというのも、むしろカタカナいらなくね!?って感じだったし、解説もアプリで無料で見れるのだが、直訳すぎな気も…
と文句を続けてしまったけど、バンクシーをこんなにも見れたことは、非常に良い経験になって、見に来てよかったと思った。
因みに…若い人がすごく多かった!しかもおしゃれ系の!そこも普段よく行く展覧会とは違ったところだな、と。
印象的だった作品
バンクシーの作品は色々と深い意味があるのだけれども、とりあえず造形的に面白いな、という軽い気持ちで思った作品たちを…
ちょっとディズニーとかのテーマパークのような。便器のところ以外。
よく考えるとあれなんだけど、一瞬可愛いと思ってしまう。
"What do you get the man who has everything?"
因みに、これの日本語タイトルが「ワット・ドゥ・ユー・ゲット・ザ・マン・フ―・ハズ・エブリシング」…いや、いらんやろ!!!
きれいなレタリングの文字で書かれると、シェイクスピアやアリストテレスの言葉のような素晴らしい言葉のように見えるけど、実はコメディアン、サイモン・マナリーの言葉だよ、という。
コメディアンの言葉といっても考えさせられる言葉だけれども。それが狙いなのだろうか。
"Morons"
アートの世界を皮肉った作品。そしてこの作品自体、高値で売れて、プリント版も一瞬で売り切れたそうだ。
そういわれると、バンクシー展に来てることも負けた気がして(バンクシーにか誰か分からないけど)、なんだか悔やしい気がした。
ミュージアムショップ的なところでは一切買わなかったけど!
"Christ with Shopping Bags"
一応、本日のBestに選んだけれども、コンセプトに賛同するとかではなく、単純に発想とイメージのインパクトに、すごいなと思ったから。
絵具が垂れているのも自然にたれたものではなくて、人工的なものだろうけれども、それも含めて、よく考えられたデザイン。
これは反消費主義を表現したもので、人生の真の価値が、大量のマーケティング情報に取って代われ、人々はそれに振り回されて買い物をしまくる。そして最後には自由を奪われてしまう…ということらしい。
"Sales Ends Today"
これも同じく反消費主義をうたった作品。
でも小難しいこと考えずとも、ちょっとプッと笑ってしまう作品だなと。
"Bomb Middle England"
全体的にバンクシーの作品って、シンプルな造形と、絶妙な構図バランスと色とでインパクトがすごいんだなと思った。
内容の皮肉に賛同できるかできないかは置いておいて、意匠が素晴らしいセンスで、伝わってくる感がすごい。
この作品も、たった三色(黄緑は2種類だけど)で、こんなにもかっこよく、しかも”こういうメッセージなのかな”というのが伝わってくるのがすごい。
Bristol Museumでの個展のポスター。
バンクシーの報酬はたったの1ポンド、という展覧会。常設作品に溶け込むような形で展示されたそうだ。
真ん中のドロシーの”I don't think we are on canvas anymore"が好き。
チラシ