ウィーン・モダンークリムト、シーレ 世紀末への道@国立国際美術館
行った日:2019/11/23
★★★☆☆
本日のBest:ハンス・マカルト「ドーラ・フルニエ=ガビロン」
感想
クリムトを前面に出して宣伝していたけれども、クリムトメインではなく”ウィーン・モダン”がメインで、その時代のウィーンの工芸品も含まれて見ごたえがあった。
正直、あまりクリムトが好きじゃないので、東京都美術館のクリムト展よりも楽しめたかも。
絵画だけではなく、工芸品、イラスト、ポスターと幅広い展示だったのもgood。
因みに、図録に小さいバージョンもあって、場所も取らないし、ちょっと安いし迷わず購入。
引用する写真はその図録から。
印象的だった作品
水差し 製作:ゲオルク・フォルガッチュ
この時代のデザインがかっこいい!!現代でもモダンさを感じられるのがすごい。
この後に展示されていた直線的なデザインはあまり好きではなかった…アールデコっぽいデザインは、あまりときめかないんだよな…
ものすごく楽しそうな雰囲気に惹かれた。
シューベルトというとクラシックで、クラシックといえば何とか固いイメージしかなかったけれども、よく考えるとこの時代、娯楽だったんだもんな~
今でいうライブみたいな感覚なんだろうなぁというのが分かる、明るくて楽しげな雰囲気で、見てるこちらも暖かな気持ちになる。
本日のBest。
画像では分かりにくいし、図録や葉書でも実物の素敵さが出てなくて残念。
まず背景の赤色がとても素敵な色!鮮やかではあるけれども浮きだって見えないという、絶妙な色使い。
そして肌の色も白く輝いているし、ドレスも筆致は粗いけれどもビロードの光沢が表れているのも素敵。
フランツ・ヨーゼフ1世に妙な愛着を感じているので。
そう華美でもない広い部屋で執務を行っているところがまた…
クリムトあまり好きじゃない、と言いつつも、こういうデザイン的なものはかっこいい。
白黒というより、アイボリーと焦げ茶でまとめているところに、ポイントの金。
金部分の大きさといい、形といい、絶妙でさすがだなと思わせる。
上が検閲前で下が検閲後。
ヘラクレス(確か)の局部を樹で隠しているという。
検閲後だけ見れば何とも思わなかっただろうけれど、検閲前を見てしまうと樹が邪魔に見えてしまう…
それでも空白の使い方や各ディテールの配置といい、かっこいい!
これは単純に、問答無用でかわいい!!!
なんとなく、小人たちを見て”まほうつかいのチョモチョモ”という名前が浮かんだ。あまり話を覚えてないけど、なんとなくぴったりのような気がした。
背景がただの白いベタ塗りではなくて、微妙なあわいでいい。
枯れかけのひまわりをモチーフに選ぶシーレが好き。
私が買った図録には載っていなかったけれども、シーレの「イーダ・レスラーの肖像」も色が素敵だった。
作品一覧